Japanese
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実験講座
神経細胞の単離法
Isolation techniques of peripheral and CNS neurons
赤池 紀扶
1
,
金田 誠
1
Norio Akaike
1
,
Makoto Kaneda
1
1九州大学医学部生理学教室
pp.56-59
発行日 1989年2月15日
Published Date 1989/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905238
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中枢神経系や末梢神経節の機能はこれを構築する個々の神経細胞の電気的かつ化学的膜特性によって決定される。しかし,発達した神経回路網に組み込まれている単一神経細胞には隣接する細胞群からの神経回路を経由した干渉や電気的結合などの影響,また周囲の神経細胞やグリア細胞による伝達物質の取り込みもあり,目的の神経細胞そのものの活動に関する確実なデータを得ることは困難であった。そこで問題解決の一手段として考えられたのが胎児より摘出した神経細胞を人工環境下で1〜数週間培養して実験に供することで,これら培養細胞を用いて抑制性ならびに興奮性アミノ酸その他に関する数多くの興味ある報告が今日までなされてきた。しかし,胎児期と生後ではシナプス下膜の化学受容器や膜電位依存性イオンチャネルの分布,密度や性質が異なってくること,また培養液の種類や培養日数で培養細胞の生理的ならびに薬理的諸性質が変化することが知られるようになり,加えて神経系異常と関連する病態動物の脳神経細胞レベルでの研究には胎児よりも幼若および成熟動物から神経細胞を使用したいとの要望が高まってきている。
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