Japanese
English
解説
各種メディエーターへの拮抗物質の治療効果
Effects of Receptor Antagonists on Airway Diseases
一ノ瀬 正和
1
Masakazu Ichinose
1
1東北大学医学部第一内科
1Department of Internal Medicine I, Tohoku University School of Medicine
pp.137-146
発行日 1995年2月15日
Published Date 1995/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901002
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はじめに
肺は40以上の異なった細胞で構成されており,それぞれが違った調節機構の下に作用し,恒常状態を保っている.これら細胞への刺激が過剰であったり,また細胞自体の反応性が亢進した場合に病的状態が生じると考えられる.特に,炎症細胞や気道の自律神経は,化学伝達物質や神経伝達物質を放出し,種々の呼吸器疾患の病態に関与している.しかし,これら細胞性あるいは神経性の機序が,どの疾患でどの程度関与しているかの詳細は不明の点が多い.
一方,これまで個々の化学伝達物質,あるいは神経伝達物質に対する選択性および効力の高い薬剤が開発されてきた.これら薬剤の各疾患に対する効果の検討は,前述した肺における種々の細胞の相互作用のネットワークを理解するうえで重要と思われる.
本稿においては,肺の代表的炎症性疾患である気管支喘息を中心に,その病態に関与する細胞間の相互作用と,化学伝達物質,神経伝達物質拮抗剤の効果について述べる.
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