今月の主題 循環器疾患の画像診断
方法
MRI法の現況
増田 善昭
1
1千葉大学医学部・第3内科
pp.1024-1028
発行日 1987年6月10日
Published Date 1987/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220987
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
陽子数,中性子数のいずれか,または,両方が奇数の原子核,例えば,1H,13C,14N,23Na,31Pは静磁場の中でそれぞれの核種に特有な核磁気回転比を有する小磁石として働き,外部から与えられた共鳴周波数を持つ電磁波を吸収し,励起状態となり,この状態で電磁波を切ると逆にその周波数を持った電磁波を放出する.これをNMR(nuclear magnetic resonance)現象といい,この現象を利用して対象物の断層像を得る方法がMRI(magnetic resonance imaging)である.
MRIは現在のところ,主として生体内感度の最も大きな1H(プロトン)を対象核種としている.X線CTでは対象となる物質のX線透過度によって画像が形成されるのであるが,プロトンMRIではプロトン密度,縦緩和時間(T1),横緩和時間(T2),対象物の運動の4つの因子によって規定されている.これがMRIがX線CTに比較し複雑な理由であり,また,撮像条件(パルス系列)により画像が異なる理由である.
Copyright © 1987, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.