Japanese
English
Bedside Teaching
虚血性心疾患と凝固線溶系
Ischemic Heart Disease and Coagulation System
荘光 泰成
1
,
山口 徹
1
Yasunarl Somitsu
1
,
Tetsu Yamaguchi
1
1東邦大学医学部付属大橋病院第三内科
1Department of Internal Medicine Ⅲ, Ohashi Hospital, School of Medicine, Toho University
pp.959-963
発行日 1994年10月15日
Published Date 1994/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900937
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はじめに
急性心筋梗塞や不安定狭心症は多くの場合,冠動脈粥状硬化を基盤としているが,急性期の冠動脈造影や血管内視鏡の検討から,冠動脈内血栓の存在が示唆されている.虚血性心疾患を血液凝固学的検査から評価した研究は多く認められるが,労作性狭心症,不安定狭心症および急性心筋梗塞のそれぞれに特異的な所見は少なく,冠動脈血栓に関わる凝固線溶系の変化をとらえることが中心となっている.そして,これら凝固線溶系の変動が冠動脈内血栓の原因なのか,結果なのかいまだ不明な点は多い.
本稿では,冠動脈血栓形成時に異常を来す可能性がある凝固線溶系因子を列挙し,虚血性心疾患,特に不安定狭心症や急性心筋梗塞などの急性冠動脈症候群での変動について概説する.
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