Japanese
English
特集 NO(一酸化窒素)
NOと肺高血圧症
Nitric Oxide and Pulmonary Hypertension
高田 正雄
1,2
,
宮坂 勝之
1,2
Masao Takata
1,2
,
Katsuyuki Miyasaka
1,2
1国立小児医療研究センター病態生理研究室
2国立小児病院麻酔集中治療科
1Pathophysiology Research Laboratory, National Children's Medical Research Center
2Department of Anesthesia & ICU, National Children's Hospital
pp.837-845
発行日 1994年9月15日
Published Date 1994/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900919
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はじめに
一酸化窒素(Nitric oxide)は,大気汚染物質であるNOx(ノックス)の一つの低分子量のガス状ラディカルであり,生体内ガス状情報伝達物質として近年生命科学の領域で話題となっている物質である.特に呼吸器病学・集中治療学・小児科学の分野では,NOの血管拡張作用を利用して,NOをガスとして吸入させ選択的な肺血管拡張作用を図る「NO吸入療法」(Inhaled Nitric Oxide)が臨床に導入され,肺高血圧症の特効的治療法として大きな注目を集めている.
本稿ではNOの血管作用のうち,このNO吸入療法に焦点を当て,その原理,実際,適応,および問題点について自験例を交えながら概説したい.
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