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特集 心筋研究の最前線
骨髄由来細胞による心筋細胞補充の可能性
The possibility of cell replacement therapy by bone marrow-derived stem cells
河合 美樹
1
,
上山 知己
2
,
小林 成美
2
,
横山 光宏
2
Miki Kawai
1
,
Tomomi Ueyama
2
,
Seimi Kobayashi
2
,
Mitsuhiro Yokoyama
2
1神戸大学保健管理センター
2神戸大学大学院医学系研究科循環呼吸器病態学講座
pp.338-342
発行日 2004年8月15日
Published Date 2004/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100715
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従来,障害を受けた心筋細胞は再生しないと考えられていた。しかし近年,骨髄内に多様な細胞に分化する能力を持つ幹細胞が存在することが示され,動物実験で骨髄由来細胞(Bone marrow-derived cells;BMDCs)の移植が障害心筋の再生や心機能の改善をもたらすと報告された。このため,BMDCsを用いた心筋再生療法が可能ではないかと考えられ,BMDCsをヒトの虚血性心疾患の治療に用い,有効性を示す報告もなされている。しかし,直接心臓に移植した骨髄造血幹細胞(Hematopoietic stem cells;HSCs)は心筋細胞に分化転換(transdifferenciation)しないという報告が最近相次いでいる。本稿は骨髄由来細胞を用いた心筋細胞再生の研究・医療への応用の現状と問題点について概説する。
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