Japanese
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綜説
循環器医のための分子生物学入門
Introduction to Modecular Biology for Clinical Cardiologist
永井 良三
1
Ryozo Nagai
1
1東京大学医学部第三内科
1Department of Internal Medicine Ⅲ, Faculty of Medicine, The University of Tokyo
pp.312-320
発行日 1994年4月15日
Published Date 1994/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900840
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はじめに
循環器疾患の診断や概念は,長い間,圧,容積,運動,電位などの物理学的パラメーターに依存してきた.例えば,血圧,心室・心房圧や圧較差,心拍出量,心室容積,心腔の内径,壁運動,心電活動などがその代表である.心血管撮影による血管・心内腔の狭窄,血流の逆流の画像診断もこの範疇に入る.
これに対し,循環系を構成する分子に視点をおいた診断法も臨床応用されている.シンチグラム,とくにSPECTやPETを用いたレセプターの分布,糖・脂質代謝状態の解析などである.CPK,ミオシン軽鎖などの心筋逸脱物質は急性心筋梗塞や心筋炎の存在を,ANP,BNPなどの血中ナトリウム利尿ペプチド濃度は心不全の重症度を反映する.
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