Japanese
English
特集 Ischemic Preconditioningと心筋保護
Ischemic Preconditioningと心筋代謝
Alteration of Cardiac Metabolism induced by Ischemic Preconditioning
斉藤 崇
1
,
木村 裕
1
,
三浦 傅
1
Takashi Saito
1
,
Yutaka Kimura
1
,
Mamoru Miura
1
1秋田大学医学部第2内科
1Department of Internal Medicine Ⅱ, Akita University School of Medicine
pp.231-237
発行日 1994年3月15日
Published Date 1994/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900827
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Preconditioningは,当初,短時間の心筋虚血が先行することによってその後に生じる遷延性心筋虚血による梗塞巣が縮小する現象について記載された概念であったが,その後虚血中ないし再灌流後の不整脈なども同時に減少することが判明し,より広範な現象を統括した概念として拡大適用されてきている経緯がある.このprecondition-ingという現象の根底に,虚血侵襲に際して心筋代謝に何らかの変化が存在しているであろうことは研究史の初期から着目されてきており,別稿で触れられるアデノシン説,フリーラジカル説,ATP感受性カリウムチャンネル説など,近年注目されているpreconditioningの成立機構に関する仮説も,最終的には心筋代謝反応の変容をその機序として包含している.
本稿ではpreconditioningと心筋代謝の関連について概説する.
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