Japanese
English
特集 Ischemic Preconditioningと心筋保護
Ischemic Preconditioningの概念
Concept of Ischemic Preconditioning
堀 正二
1
Masatsugu Hori
1
1大阪大学医学部第一内科
1Department of Internal Medicine Ⅰ, Osaka University School of Medicine
pp.211-213
発行日 1994年3月15日
Published Date 1994/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900824
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
心筋梗塞における梗塞サイズは主に冠動脈の閉塞部位により規定されるが,梗塞が大きくなるほど,心機能は低下し,不整脈の頻度も増加し,生命予後は不良となる.左室の40%以上が壊死に陥ると心原性ショックを招くことがよく知られており,梗塞サイズの縮小は急性心筋梗塞治療のなかでも最も重要な課題である.これまで,梗塞サイズの抑制のために,種々の実験モデルにおいて多くの治療薬や治療法の効果が報告されてきた.その多くは,①心筋エネルギー利用の抑制,②側副血行の増大,③心筋細胞膜の安定化,④血栓形成や炎症反応の抑制などを目指した治療法であるが,いずれも単独でその有効性が明らかなものはほとんどないといっても過言ではない.
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.