Japanese
English
綜説
冠動脈血栓溶解療法後の再閉塞とその対策
Coronary Reocclusion after Successful Thrombolysis in Acute Myocardial Infarction and its Management
本宮 武司
1
Takeshi Motomiya
1
1東京都立広尾病院循環器科
1Tokyo Metropolitan Hiroo General Hospital
pp.106-113
発行日 1994年2月15日
Published Date 1994/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900808
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はじめに
1979年にRentropら1)ははじめて緊急冠動脈造影下に選択的にstreptokinase(SK)を冠動脈内に注入し閉塞血栓を溶解する冠動脈内血栓溶解療法(ICT,PTCR)を報告した.当初は血栓溶解酵素として欧米ではSKを,日本ではurokinase(UK)を用いた冠動脈内血栓溶解療法が行われてきた.その後,フィブリン親和性(血栓親和性)が高い線溶酵素としてtissue-type plasminogen activator(t-PA)やsingle-chain urinary plas-minogen activator(scu-PA,pro-UK)が開発され,さらに第2世代の修飾型t-PA(modified t-PA)が開発中であり,静脈内全身投与でも比較的高い再開通効果をあげるようになり,冠動脈血栓溶解療法(CT)は広く普及してきている.
しかし,t-PAによる冠動脈内血栓溶解療法においても,20〜25%の症例では再開通が得られず2),血栓溶解療法に対して抵抗性を示している.また,再開通に成功しても急性期に再閉塞する症例があり,その再閉塞率はSKやUKでの4〜15%に対してt-PAでは14〜33%とかえって高率を示している.
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