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特集 循環器系薬剤を見直す—薬剤選択と用量を検証する
血栓溶解薬—modified t-PAは開通率を高めるか
Thrombolvtic Agellts:Improved effects of modified tissue plasminogen activator
本宮 武司
1
Takeshi Motomiya
1
1東京都立広尾病院循環器科
1Department of Cardiology, Tokyo Metropolitan Hiroo Hospital
pp.999-1003
発行日 1999年10月15日
Published Date 1999/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901975
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はじめに
現在わが国で用いられている血栓溶解楽はウロキナーゼ(UK),組織プラスミノゲンアクチベーター(t-PA),修飾型t-PA(modified or mutantt-PA:mt-PA),プロウロキナーゼ(pro-UK)の4種類である1).なお欧米ではストレプトキナーゼ(SK),アシル化プラスミノゲン・ストレプトキナーゼ複合体(APSAC)なども用いられている.
各血栓溶解薬の作用機序と特徴を図12)に示すが,ウロキナーゼでは血栓親和性は低く,半減期は11〜16分,アレルギー反応はない.組織プラスミノゲンアクチベーターは血栓親和性が高いが,半減期は約5分と短い.修飾型t-PAは血栓親和性が通常型t-PAと同等に高く,血中半減期は40〜60分と長いため1回静注投与が可能である.プロウロキナーゼには血栓親和性があるが,その程度はt-PAに比較すると低い.半減期は約17分,アレルギー反応はない.
ここでは急性心筋梗塞に対する血栓溶解療法を中心に,Neuhausらの開発したt-PAの急速静注法(accerelated t-PA/front loaded t-PA)3)や,新しい投与法の工夫としてt-PA doublebolus静注法4〜5),t-PAとSK併用静注法6),t—PAとUKの併用静注法7)の成績や1回静注投与で迅速かつ高い再開通率の得られる修飾型t-PAのmonteplase8)やreteplase9)の成績について述べる.
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