Japanese
English
特集 肺移植をめぐって
肺移植の適応基準—外科的立場から
Patient Selection for Lung Transplantation from the Aspect of Surgery
近藤 丘
1
,
藤村 重文
1
Takashi Kondo
1
,
Shigehumi Fujimura
1
1東北大学抗酸菌病研究所外科
1Department of Surgery, The Research Institute for Tuberculosis and Cancer, Tohoku University
pp.433-438
発行日 1993年5月15日
Published Date 1993/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900662
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1992年8月までに国際登録された肺移植症例数は1,500例を越え,年間500から600例の増加が見込まれている.その成績も移植手術や免疫抑制法などの改良により,徐々に改善しており,欧米において今や末期的肺疾患患者の治療を考えるうえで欠くことのできない手段となっている.このように手技的な面や患者の管理などが少しずつ改良されて移植成績が改善し,かつ経験する症例数の増加に伴って肺移植の適応基準も少しづつ変更されてきているようである.
わが国においても,近い将来に臓器移植が再開される気運が高まりつつあるが,来たるべき日に備え,肺移植の適応についてまとめておかなくてはならない.しかし,肺移植の適応基準としては単にドナーとレシピエントの肺の状態のみを考慮すれば済む問題ではないことは衆知の事実であり,患者の社会的な環境までも考慮したきめの細かい適応基準の設定が重要である.
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