Japanese
English
特集 肺移植をめぐって
肺移植の適応基準—内科的立場から
Patient Selection for Lung Transplantation from the Aspect of Internal Medicine
泉 孝英
1
,
長井 苑子
1
Takateru Izumi
1
,
Sonoko Nagai
1
1京都大学胸部疾患研究所第2内科
1Department of Second Clinic of Medicine, Chest Disease Research Institute, Kyoto University
pp.439-445
発行日 1993年5月15日
Published Date 1993/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900663
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
肺移植が初めて行われたのは1963年であるが,実験医学の段階を離陸して,医療としての方向性をもって行いうるようになったのは,欧米においても87年以降のことである.86年までの肺移植例は年間数例に過ぎなかったが,87年には35例,88年には74例,89年には160例,90年には359例,91年には530例と急増し,92年は8月までに336例が行われており,累計数は1,536例(片肺1,008,両肺398,気管支を含む両肺124)にのぼっている(St.Louis Lung Trans-plantation Registry).
本稿においては,わが国での今後の肺移植医療のあり方をも意識しつつ欧米ではどのような疾患に肺移植が行われているか,それぞれの疾患について内科的治療の段階では予後はどのような状況であるのか,どのような時期に肺移植が治療法として選択されるべきものと考えられるかについて,内科的立場から肺移植の適応基準を述べることとしたい.
Copyright © 1993, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.