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Bedside Teaching
なぜ脳死肺移植は難しいか
Why Lung Transplantation from Brian Dead Cadover Donor is so Difficult?
松村 輔二
1
,
近藤 丘
1
Yuji Matsumura
1
,
Takashi Kondo
1
1東北大学加齢医学研究所呼吸器再建研究分野
1Department of Thoracic Surgery, Institute of Development, Aging and Cancer, Tohoku University
pp.575-580
発行日 2001年6月15日
Published Date 2001/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902302
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はじめに
肺移植は,近年,世界で年間約1,000例が実施されており,欧米では呼吸器疾患に対する治療法としての地位を確立している1).本邦でも1997年10月に臓器移植法が施行され脳死ドナーからの臓器移植が可能となり,脳死肺移植実施施設として4施設が選定されて準備が進められてきた.肺移植の臨床応用は,肝移植と同様,本邦では生体(肺葉)移植が先行したが,最初の脳死肺移植が大阪大学と東北大学において,2000年3月に同一ドナーの左右肺を分け合う形で2例の片肺移植として実施された2,3).本邦では,これまで5例の生体肺葉移植と3例の脳死肺移植が実施されているが,いずれの症例も移植後は社会復帰または回復過程にあり,移植後は格段の生活レベルの改善が得られている.
今回の「なぜ脳死肺移植は難しいか」というテーマは「なぜ肺移植に利用できるドナーは少ないのか」と言い換えることができる.そこで肺移植ドナー評価と管理に焦点を絞って,この問題について考えたい.
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