Japanese
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解説
入眠潜時反復テスト(MSLT)と上気道抵抗症候群
The Introduction of The Multiple Sleep Latency Test and The Upper Airway Resistance Syndrome
塩見 利明
1
,
小林 正
1
,
渡辺 務
1
Toshiaki Shiomi
1
,
Tadashi Kobayashi
1
,
Tsutomu Watanabe
1
1愛知医科大学第三内科
1The 3rd Department of Internal Medicine, Aichi Medical University
pp.341-346
発行日 1992年4月15日
Published Date 1992/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900454
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はじめに
不眠によって夜間の睡眠が不十分になると日中に眠気が生じる.閉塞型睡眠時無呼吸症候群(obstructive sleep apnea syndrome:OSAS)の患者では,夜間睡眠中にくり返される覚醒反応あるいは低酸素血症が原因となって,過度な日中の眠気(excessive daytime sleepiness)を生じることが知られている1-6).過度な日中の眠気により,OSAS患者では自動車事故の発生率がOSASのないヒトの7倍に達するといわれており7),また,その他の社会生活上においても数多くの制約を受けている8).それ故,OSASを中心とした睡眠呼吸障害の病態を十分に把握するには,夜間睡眠中のみならず,それが日中に及ぼす影響,特に日中の眠気を測定し,定量化する必要性が生じてくる.
眠気を測定する方法としては,スタンフォード版眠気尺度(Stanford sleepiness scale)4,9)と入眠潜時反復テスト(multiple sleep latency test:以下MSLTと略す)10-17)が有名である.スタンフォード版眠気尺度は内省による自己評価法であり,MSLTは脳波や眼球運動などの生理的指標を用いて測定する方法である.内省を用いるスタンフォード版眠気尺度は眠気の基準が個人によって異なるため,臨床研究では客観的評価法であるMSLTの方が用いられている.
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