Japanese
English
装置と方法
高血圧患者における,内田クレペリン精神検査中の連続血圧変動測定とその意義
Continuous Measurement of Blood Pressure Variation during Kraepelin's Arithmetic Test and its Significance in Hypertensive Patients
塩見 利明
1
,
伊藤 貫之
1
,
市川 忍
1
,
矢野 弓子
1
,
小林 正
1
,
渡辺 務
1
Toshiaki Shiomi
1
,
Kanshi Itoh
1
,
Shinobu Ichikawa
1
,
Yumiko Yano
1
,
Tadashi Kobayashi
1
,
Tsutomu Watanabe
1
1愛知医科大学第三内科
1The Third Department of Internal Medicine, Aichi Medical University
pp.49-54
発行日 1992年1月15日
Published Date 1992/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900408
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経済先進国の主要産業が三次産業に移行し,多様な企業が生まれ,労働者の作業内容も多様化した.職業的ストレスは,かつては肉体的限界が上限となったが,最近は肉体的軽労働下に精神的緊張の持続を強いられる職種が増加し,明らかに心理的負担(メンタルストレス)が増強しつつある.この緊張などのメンタルストレスが血圧を上昇させることはよく知られた事実である1,2).メンタルストレスによる血圧の上昇は正常血圧者よりも高血圧者の方が大きい.若年正常血圧者ではメンタルストレス時の血圧反応や血中カテコラミン反応の異常が将来に高血圧発症の危険因子になるという3),それゆえ,メンタルストレス時の血圧を中心とした循環応答に関心を抱く臨床家が徐々に増えてきた.しかし,循環器領域では運動負荷試験に比べてメンタルストレス試験に関する臨床研究は非常に少なく,その試験法自体もいまだ十分には確立されていない.そこで,著者らは数年前より,高血圧診療における新しいメンタルストレス試験法を開発するため,作業(計算負荷)検査法の1つとして社会の各方面で汎用されている内田クレペリン精神検査法(クレペリンテスト)4)に着目し,クレペリンテスト中の連続血圧変動について検討を加えてきた.
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