巻頭言
医師の自己規制
町井 潔
1
1東邦大学医学部第三内科
pp.307
発行日 1992年4月15日
Published Date 1992/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900449
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最近の臨床心臓病学の進歩には目覚ましいものがある.冠動脈拡張療法や心移植はその最たるものであろう.これら学問の進歩に比較して入間の進歩は遅々たるもので,国内や国際政治の世界をみても,歴史を播けば凡人でも将来がほぼ予測できる世の中である.
医師の人格については,2000年前のHippocratesの昔から病める人をみるのに相応しい属性は不変である.彼は,患者に対する処置はただ患者の必要と利益のためにのみし,苟も危険を招くような処置は避けるべきである.また医師になろうとする人はそれに適した天性を持ち,訓練,習熟に適した場所において教育を受け,医学に対する研究欲と一定の時日の経験が必要不可欠であると言っている.
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