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特集 血管作動物質と肺血管・肺ガス交換
各種カルシウム拮抗薬の肺換気血流分布に及ぼす影響
The Effects of Calcium Antagonists on Ventilation-Perfusion Mismatching in the Canine Lung
小西 邦彦
1
,
宇都宮 博文
1
,
橋本 宇
1
,
平野 真理
1
Kunihiko Konishi
1
,
Hirofumi Utsunomiya
1
,
Hiroshi Hashimoto
1
,
Mari Hirano
1
1三重大学医学部麻酔科学教室
1Department of Anesthesiology, Mie University School of Medicine
pp.11-19
発行日 1992年1月15日
Published Date 1992/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900403
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はじめに
各種カルシウム拮抗薬が肺の酸素化効率にどのような影響があるかを肺内換気血流分布を計測して考察した.各種カルシウム拮抗薬は肺の低酸素性肺血管収縮(HPV)を抑制して低酸素血症を増強する可能性が示唆されている.実際に臨床ではこのHPVが起こっているか否かは肺動脈カテーテルなどを患者に挿入して肺動脈圧を計測しても,推察することしかできない.また,日常によく遭遇する事例としては血圧の異常に高い患者にカルシウム拮抗薬を投与して血圧を下げようとすると血圧ばかりでなく動脈血の酸素分圧も低下する症例に出会うことがしばしばある.特に術前から動脈血酸素分圧の低下している老人などでよく起こる.そこでそのメカニズムを肺内換気血流分布を分析して考察した.
各種カルシウム拮抗薬がHPVになんらかの影響を及ぼすのではないかと考え,実験動物の肺換気血流分布にどのような影響を与えるかについて研究した.
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