Japanese
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特集 呼吸不全患者を取り巻く課題
急性呼吸不全に対するNPPV
NPPV(noninvasive positive pressure ventilation)for Acute Respiratory Failure
永田 一真
1
Kazuma Nagata
1
1神戸市立医療センター中央市民病院呼吸器内科
1Department of Respiratory Medicine, Kobe City Medical Center General Hospital
pp.1159-1166
発行日 2016年12月15日
Published Date 2016/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404206077
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はじめに
NPPV(noninvasive positive pressure ventilation;非侵襲的陽圧換気)は,気管挿管や気管切開は行わず,マスクを用いて口鼻を覆い,そこから気道に陽圧をかけることによって換気を行う方法である.陽圧をかけられるだけでなく,非挿管下に酸素濃度を設定できる点で非常に有用な呼吸管理方法である.NPPVは1990年代以降,次第に一般的に使用されるようになってきた比較的新しい呼吸管理の方法であるが,本邦では2006年に「NPPV(非侵襲的陽圧換気療法)ガイドライン(第1版)」が発刊され,その適応や禁忌,使用方法について一定の指針が示された.その後もNPPVの普及や経験の蓄積とともにその適応は着実に拡大されつつあり,いまやNPPVは呼吸不全とかかわりをもちうる多くの臨床医と医療スタッフにとって必要な手技といえる.そして2015年にはこれまで集積されたエビデンスがまとめられ,「NPPV(非侵襲的陽圧換気療法)ガイドライン(改訂第2版)」の発刊に至っている.本稿ではガイドラインでも取り上げられている最新のエビデンスに基づき,その適応や使用の実際について概説する.
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