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はじめに
侵襲的呼吸管理と非侵襲的呼吸管理の違いは「インターフェイスinterface」にある。インターフェイスは「境界面」や「接点」を意味しており,呼吸療法では人工呼吸器と患者を接続するものを指す。つまり,気管チューブは侵襲的呼吸補助のインターフェイスの1つである。一方,挿管による侵襲を回避し,マスクや鼻カニューレなどを用いる呼吸療法が非侵襲的呼吸管理non-invasive respiratory support(NIRS)となる。
NIRSには,人工呼吸器や専用機を用いて陽圧換気を行う非侵襲的陽圧換気non-invasive positive pressure ventilation(NPPV)と,高流量酸素療法の1つに分類される高流量鼻カニューレ療法high-flow nasal cannula(HFNC)がある。NPPVの換気モードには,持続気道陽圧continuous positive airway pressure(CPAP)モードと,プレッシャーサポートpressure support(PS)を設定するspontaneous/timed(S/T)モードがある。国内では図1のようなカテゴリ分けがなされることが多いが,海外ではNPPVとは名前のとおり「ventilation(換気)」を行うもの,つまりS/T,Bi-level(二相性陽圧換気)モードのみを指し,CPAPと区別する場合もある。この背景には,CPAPは人工呼吸器を使用せずに,フロージェネレーターで行うことも可能であるからかもしれない。本特集では,国内の実情に合わせて,図1の分類で統一することとする。
本稿では,まず総論として,HFNCとNPPVの生理学的効果について述べたうえで,それらの使い分けについて考えていきたい。

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