Japanese
English
特集 呼吸不全患者を取り巻く課題
急性期の呼吸管理に対する高流量鼻カニュラ酸素療法
High-Flow Nasal Cannula Oxygen Therapy in Acute Respiratory Failure
横山 俊樹
1
,
速井 俊策
1
Toshiki Yokoyama
1
,
Shunsaku Hayai
1
1公立陶生病院呼吸器・アレルギー疾患内科
1Department of Respiratory Medicine and Allergy, Tosei General Hospital
pp.1167-1172
発行日 2016年12月15日
Published Date 2016/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404206078
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はじめに
高流量鼻カニュラ酸素療法(high-flow nasal cannula oxygen therapy;HFNC)は特殊な鼻カニュラを用いることで最大60l/minまでの高流量の混合酸素を供給できる酸素療法である1).回路内に加温加湿器を備えることで乾燥を防ぎ,患者の快適感を損なうことなく高流量の混合酸素を供給することが可能となっている.他の酸素療法と比較して死腔換気率の減少,呼気終末陽圧換気(positive end-expiratory pressure;PEEP)様効果,安定した吸入酸素濃度(FiO2)などの利点もあるとされるが,HFNCに関する大規模ランダム化比較試験は依然として少ない.ここでは現時点のHFNCの原理,利点,欠点に加えて急性呼吸不全における臨床使用成績を中心に今後の展望について触れる.
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