Japanese
English
特集 呼吸器疾患:症例から病態生理学/分子病態学へ
間質性肺炎
Interstitial Pneumonia
須田 隆文
1
Takafumi Suda
1
1浜松医科大学内科学第二講座
1Second Division, Department of Internal Medicine, Hamamatsu University School of Medicine
pp.947-954
発行日 2016年10月15日
Published Date 2016/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404206041
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はじめに
間質性肺炎は肺胞隔壁を病変の主座とする肺疾患であり,その多くは最終的に線維化へと進展する.本疾患は種々の原因で発症するが,近年,分子生物学的手法を用いた研究や全ゲノム関連解析(genome-wide association study;GWAS)などの遺伝子解析によって,間質性肺炎の病態解明は特発性肺線維症(IPF)を中心として,めざましい進歩がみられている.その一つがIPFにおける線維化病態の理解が「炎症から上皮障害・創傷治癒機転の異常」と大きく変化し,臨床的にIPFに対する2つの抗線維化薬—pirfenidoneとnintedanib—の有用性が示されたことである.また,最近の遺伝子解析技術の進歩により,種々の遺伝子異常,遺伝子多型と間質性肺炎との関連が明らかとなった.本稿では,遺伝子異常を伴う家族性間質性肺炎を提示したうえで,最近の知見を紹介しつつ,間質性肺炎の分子細胞病態についてIPFを中心に概説する.
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