Japanese
English
特集 COPD合併肺癌:病因論から治療まで
疫学研究からみたCOPD合併肺癌の臨床
Clinical Characteristics of Lung Cancer in Patients with Chronic Obstructive Pulmonary Disease:From the Epidemiological Viewpoints
坂東 政司
1
Masashi Bando
1
1自治医科大学呼吸器内科
1Division of Pulmonary Medicine, Department of Medicine, Jichi Medical University
pp.749-754
発行日 2016年8月15日
Published Date 2016/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404206006
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は肺癌の危険因子の一つである1).一方,肺癌は肺高血圧症・肺炎・気胸などとともにCOPDの肺合併症として認識され2),COPDの主要な死因である.2014年の厚生労働省人口動態調査死亡統計によると,わが国の肺癌(気管,気管支および肺の悪性新生物)による死亡数は年間73,396人で,部位別死亡率は男性が第1位,女性が第2位である.また,COPDの死亡数は年間16,184人で男性死因の第8位であるが,肺癌を合併したCOPDを含めるとCOPD患者の死亡数はさらに多くなる.以上より,わが国の「COPD(慢性閉塞性肺疾患)診断と治療のためのガイドライン」2)では,「肺癌は,呼吸不全や心・血管疾患とともにCOPD患者の死因となる可能性があり,その対策が重要である」と記述されている.
本稿では,疫学研究からみたCOPDに合併する肺癌の臨床像について解説する.
Copyright © 2016, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.