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特集 COPD合併肺癌:病因論から治療まで
COPDにおける肺癌合併の分子機構
Molecular Mechanisms Linking between COPD and Lung Cancer
埴淵 昌毅
1
,
西岡 安彦
1
Masaki Hanibuchi
1
,
Yasuhiko Nishioka
1
1徳島大学大学院医歯薬学研究部呼吸器・膠原病内科学分野
1Department of Respiratory Medicine and Rheumatology, Institute of Biomedical Sciences, Tokushima University Graduate School
pp.743-747
発行日 2016年8月15日
Published Date 2016/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404206005
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はじめに
COPDはタバコ煙などの有害物質を長期に吸入曝露することで生じる肺の炎症性疾患であり,各種の全身性合併症を伴いやすい.COPDにおける合併症の発症機序として,肺局所の炎症に伴って産生された炎症性メディエーターなどが血液中に“spill-over”して生じる全身性炎症が注目されている1).合併症には喫煙や加齢などCOPDと共通のリスクファクターが関与しているものが多く,さらに患者自身が有している遺伝的素因や喫煙以外の環境因子などもその発症に大きく影響を及ぼしていると考えられる.
COPDにおける合併症の発症機序は極めて複雑であり,いまだ完全には解明されていないが,近年の分子生物学の進歩により,多くの知見が集積されている.本稿ではCOPDにおける肺癌合併の分子機構について概説する.
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