Japanese
English
特集 Acute Aortic Syndrome—最新の話題と今後の展望
腹部大動脈瘤の診断と治療方針決定
Diagnosis and Decision Making in Abdominal Aortic Aneurysm
渡辺 弘之
1
Hiroyuki Watanabe
1
1東京ベイ・浦安市川医療センターハートセンター循環器内科
1Heart Center, Tokyo Bay Urayasu Ichikawa Medical Center
pp.451-457
発行日 2016年5月15日
Published Date 2016/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205953
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はじめに
腹部大動脈瘤(abdominal aortic aneurysm;AAA)は破裂するまで自覚症状がないことが多く,自覚的にも他覚的にも見逃されている.医師の役割で最も重要なことは,たとえ自覚症状がなくても,そのリスクに気付き,病態が安定している間に治療適応を検討することである.AAAの診断と治療方針を決定するために最も重要なことは,存在に気付くことである.
AAAはいったん破裂すると予後が極めて不良な疾患である.破裂症例は,病院搬送前に半数が死亡し,病院搬送例でも,救命されるのはその半数にすぎない1).すなわち破裂したAAAの死亡率は75%程度と高い.このリスクを減らすためには,原因や危険因子を知り,早期に診断して的確な治療を行うことが大切である.
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