Japanese
English
特集 Acute Aortic Syndrome—最新の話題と今後の展望
破裂性腹部大動脈瘤に対する外科治療
Surgical Treatment for Ruptured Abdominal Aortic Aneurysm
河西 玲央
1
,
山本 晋
1
Reo Kasai
1
,
Shin Yamamoto
1
1川崎幸病院 川崎大動脈センター
1Aortic Center, Kawasaki Saiwai Hospital
pp.458-461
発行日 2016年5月15日
Published Date 2016/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205954
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はじめに
近年interventional radiologyの進歩に伴い,腹部大動脈瘤(abdominal aortic aneurysm;AAA)に対して,ステントグラフト内挿術(EVAR)が行われるようになってきたが,従来の人工血管置換術(open surgery;OS)は術式として確立されており,依然としてgold standardである.AAAに対するOSの成績は待機手術においては在院死亡率2〜4%と報告されており1,2),当センターで施行した待機手術221例においては在院死亡率が0.45%と良好な成績である.
しかしながら,破裂性腹部大動脈瘤(ruptured abdominal aortic aneurysm;RAAA)は大動脈緊急症のなかでも最も緊急性の高い疾患の一つであり,手術死亡率は40〜70%,病院到着前の死亡も含めるとRAAAの死亡率は79〜94%とされ,治療成績は依然として不良である3).治療成績向上のためには早期診断・早期治療が重要である.
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