Japanese
English
Bedside Teaching
肺静脈閉塞症(PVOD)/肺毛細血管腫症(PCH)
Pulmonary Veno-occlusive Disease/Pulmonary Capillary Hemangiomatosis
小川 愛子
1
Aiko Ogawa
1
1国立病院機構岡山医療センター臨床研究部
1Department of Clinical Science, National Hospital Organization Okayama Medical Center
pp.186-192
発行日 2016年2月15日
Published Date 2016/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205907
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はじめに
肺静脈閉塞症(pulmonary veno-occlusive disease;PVOD)と肺毛細血管腫症(pulmonary capillary hemangiomatosis;PCH)は,ともに肺高血圧を来す疾患である.この2つの疾患は類似しており,臨床的に両疾患を鑑別することは困難であることから,PVOD/PCHとして2疾患をまとめて扱われる.最新の肺高血圧症臨床分類では,PVODとPCHをあわせて1’群と分類されている1,2).
PVOD/PCHは稀な疾患ではあるが,肺動脈性肺高血圧症(pulmonary arterial hypertension;PAH)との鑑別が臨床上重要である.病理組織学的には,肺動脈ではなく肺内肺静脈あるいは毛細血管が主な病変部位であるため,PAHとは異なり,肺血管拡張薬の使用により状態が悪化する危険性がある.根治療法は肺移植のみであり,非常に予後不良である.PAHとは治療方針や予後が異なるため,肺高血圧症診療を行う際には必ずPVOD/PCHの可能性を臨床的に検討する必要がある.また,2015年から,厚生労働省の難治性疾患克服研究事業の指定難病の一つに選定された3).本稿では,PVOD/PCHの診断法と治療を中心に概説する.
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