Japanese
English
Current Opinion
心不全の緩和医療
Palliative Medicine in Heart Failure
菅野 康夫
1
Yasuo Sugano
1
1国立循環器病研究センター心臓血管内科
1Department of Cardiovascular Medicine, National Cerebral and Cardiovascular Center
pp.587-591
発行日 2015年6月15日
Published Date 2015/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205728
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心不全の緩和医療に関する最近の動向
2013年,米国心臓病学会財団(ACCF)と米国心臓協会(AHA)は,心不全ガイドラインを4年ぶりに改訂した.心不全患者は増加し高齢化する一方,薬物治療やデバイス治療の発展は頭打ちになってきており,新ガイドラインでは,生命予後の改善を目指した治療だけでなく,患者の生活の質(QOL)や意思決定の共有化,緩和ケアの重視など,心不全患者がいかに生活するかについて多く言及した内容となっている1).
同ガイドラインでは,「症候性の末期心不全患者における緩和ケアはQOL改善のために有効である」ことをClass Ⅰに位置づけた.緩和ケアは包括的であり,心不全からくる症状のコントロールだけでなく,心理社会的な苦痛に対する対応,終末期医療の希望を支えること,介護人のサポートなども考慮に入れる必要がある.また,チームアプローチが重要で,患者と家族の選択をサポートするのに適している.また,適切な緩和ケアは心不全患者に好影響を与え,QOLだけでなく生命予後を改善する可能性があることも記載された.
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