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特集 ペースメーカ治療の合併症への対応
先天性心疾患植込みデバイスの問題点と対策
Problems of Cardiac Implantable Devices in Pediatric and Congenital Heart Disease Patients
芳本 潤
1
Jun Yoshimoto
1
1静岡県立こども病院循環器科
1Department of Pediatric Cardiology, Shizuoka Children's Hospital
pp.458-462
発行日 2015年5月15日
Published Date 2015/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205702
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はじめに
先天性心疾患に対する治療戦略は長足の進歩を遂げ,従来では考えられないような心臓機能や構造の異常をもつ患者が長期生存をするようになってきている.わが国では既に四百万人を超える成人先天性心疾患患者がいるとされており,年間九千人以上のペースで新たな先天性心疾患患者が成人を迎えている1).ペースメーカやCRT,ICDといったデバイスが治療戦略に組み込まれるようになり,さらなる生存の質の向上がもたらされた.その結果,成人循環器内科医がこういったデバイスをもつ患者の診療に否応なく関わらざるを得ないようになってきている.
小児期にペースメーカを植込む場合,心外膜リードを用いた植込みが中心となるが,成人循環器内科医にとっては普段あまりなじみのないリードであり,その管理にはいくつか重要なポイントが存在する.また様々な先天性心疾患に対する手術戦略をある程度理解しなければ,新規の植込みやrevisionに対応することは難しい.
本稿では主に成人循環器科医向けに小児期にデバイスを植込み成人期に達したときの問題点,および成人期に達した先天性心疾患患者に新たにデバイスを植込む際の問題点,そしてそれらの対策について述べることとする.
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