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特集 川崎病
巨大冠動脈瘤の遠隔期予後
Remote Term Prognosis of Giant Coronary Artery Prognosis
深澤 隆治
1
Ryuji Fukazawa
1
1日本医科大学小児科
1Department of Pediatrics, Nippon Medical School
pp.33-38
発行日 2015年1月15日
Published Date 2015/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205613
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はじめに
川崎病の新規発生数は年々増加し,最新の第22回川崎病全国調査(2011〜2012)によれば,2年間で26,691例となり,10年前の第17回調査の約1.6倍となっている.この間川崎病急性期治療の進歩により,後遺症としての冠動脈瘤の発生は1.36%(231例)から0.72%(191例)と頻度・総数とも減少を認めている.しかし,巨大瘤の発生はそれぞれ0.29%(49例),0.18%(47例)と総数では減少しているとは言い難い.冠動脈の径が8mm以上の瘤を巨大瘤と呼ぶが,巨大瘤を持つ症例では,瘤前後の狭窄や瘤内血栓からくる閉塞による心筋虚血・心筋梗塞,そして突然死が大きな問題となってくる.また巨大瘤の約半数は将来的に治療が必要な狭窄を来す.本稿では巨大瘤の性状と問題点,治療・管理,予後について述べる.
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