Bedside Teaching
Torsade de pointes
比江嶋 一昌
1
,
鈴木 文男
1
Kazumasa Hiejima
1
,
Fumio Suzuki
1
1東京医科歯科大学第一内科
1First Department of Internal Medicine, School of Medicine Tokyo Medical and Dental University
pp.865-871
発行日 1989年8月15日
Published Date 1989/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205524
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最近,不整脈の領域でTorsade de pointes (Tdp)という用語がしばしば目につく。Tdpはフランス語で,トルサード・ド・ポアンツと発音する1)。Tdpを英訳すれば,twisting of the points2)ということになり,これは心電図上QRS軸のねじれという意味である。つまり,QRSの電気軸が数拍ごとに変動し,あたかも等電位線のまわりでQRSがねじれているようにみえることに由来する。この名称は1966年,フランスのDessertenne3)により,完全房室ブロック患者にみられた多形性の心室性頻拍(VT)に対し与えられたものである。このTdpは特異な背景下で生じ,しばしば再発し,ときに心室細動へ移行して急死の原因になる点,臨床的意義がきわめて高い不整脈である。
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