Japanese
English
特集 睡眠呼吸障害
睡眠呼吸障害の手術的治療
Operative surgery in the management of sleep apnea syndrome
形浦 昭克
1
,
朝倉 光司
1
Akikatsu Kataura
1
,
Koji Asakura
1
1札幌医科大学耳鼻咽喉科学教室
1Department of Otorhinolaryngology, School of Medicine, Sapporo Medical College
pp.53-55
発行日 1989年1月15日
Published Date 1989/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205401
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はじめに
睡眠時無呼吸症候群の外科的治療手段として,古くより気管切開術が最後の手段として広く行われている。最近は,その病態が明らかになるにつれて,特に閉塞性睡眠時無呼吸症候群(以下OSAS)に対して種々の手術的アプローチが成されている。ほとんどのOSASの閉塞部は,中咽頭の軟口蓋から舌根に生ずるが,以下に述べるような,解剖学的因子と生理学的因子が相互に関連している。
解剖学的には,中咽頭〜下咽頭にかけての器質的狭窄があげられる。そのうち最も多いのは,中咽頭レベルでの狭窄である。また小児では,上咽頭レベルで,アデノイド肥大が最も多い。アデノイドや鼻閉塞の場合には鼻〜上咽頭の狭窄のために,呼気時の中咽頭圧がより著明な陰圧になり,中咽頭でのコラプスが生じやすくなる。生理学的要因としては,睡眠時に呼吸補助筋の呼気性筋緊張が低下し,呼気時の気道内陰圧に抗して内腔を保持できなくなることがあげられるが,これは,上記解剖学的狭窄が存在しはじめて病的な意味が出現するといってよい。したがって,OSASに対しては,鼻腔から下咽頭にかけての器質的狭窄に対して積極的に手術的なアプローチが成されている(表1)。今回はそのうち代表的なものについて詳述する。
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