Japanese
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特集 外科治療か内科治療か—境界領域をめぐって
睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群—外科側から
Operative Surgery of Obstructive Sleep Apnea Syndrome
形浦 昭克
1
Akikatsu Kataura
1
1札幌医科大学耳鼻咽喉科
1Department of Otorhinolaryngology, Sapporo Medical College
pp.845-849
発行日 1993年9月15日
Published Date 1993/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900730
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はじめに
睡眠時無呼吸症候群は閉塞型,中枢型および混合型に分けられ,ことに前二者は睡眠時の気道閉塞がその原因となる(obstructive sleep apnea syndrome,以下OSASと略す).その睡眠時の気道閉塞として,機能的には睡眠に伴った呼吸補助筋の活動低下による狭窄であり,器質的には軟部組織の肥厚や骨格の異常による狭窄の2つが挙げられる.
OSASの外科治療は,この器質的狭窄の部位を広げることである.その外科治療として古くより気管切開がなされ,最近になり手術のアプローチとして,その閉塞部位から解剖学的に中咽頭から下咽頭にかけての器質的狭窄があげられる.そのなかでも最も多いのは,アデノイドおよび扁桃肥大であり,小児では上咽頭を含めてこの部位の手術による効果が期待されてきた.この中咽頭でのコラプスが生じることが臨床的には多く,外科治療のポイントとなる.すなわち,口蓋扁桃およびアデノイド手術および口蓋垂軟口蓋咽頭形成術であり,効果がない場合は鼻茸切除,鼻中隔矯正術および副鼻腔手術など,閉塞部位が鼻副鼻腔に存在するとき考慮されなければならない.さらに下咽頭に閉塞がある場合は,正中舌部分切除,舌根扁桃切除,舌骨形成術および舌顎骨形成手術があげられる1).これらのなかから,成人と小児のOSASについて代表的な外科治療について述べる.
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