睡眠呼吸障害の診断と治療

　睡眠呼吸障害（SDB）は頻度が高い疾患で，眠気に関連する事故などの問題に加え，生活習慣病や循環器疾患の発症・悪化に関連して生命予後を脅かす可能性もある．2023年3月に日本循環器学会より「2023年改訂版 循環器領域における睡眠呼吸障害の診断・治療に関するガイドライン」が発行された．本稿では，この内容に準ずる形で，とくに閉塞性睡眠時無呼吸（OSA）の診断と治療に焦点を当てて概説する．SDBは無症状の場合も多いことから，日常診療ではその存在を意識した問診を心がけ，とくに合併率の高い生活習慣病や循環器疾患の診療現場での早期発見，早期治療に結びつけていくことが求められる．