Japanese
English
装置と方法
空冷式心筋冷却装置の考案,および臨床使用経験
A new device of cold air topical cooling and its clinical application
北村 俊治
1,2
,
奥津 芳人
1
Shunji Kitamura
1,2
,
Yoshito Okutsu
1
1横浜市立大学医学部麻酔科学教室
2横須賀市立市民病院麻酔科
1Department of Anesthesiology, Yokohama City University School of Medicine
pp.57-60
発行日 1989年1月15日
Published Date 1989/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205402
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近年,開心術における心筋保護法はめざましい進歩を遂げ,心臓を低温に保ち冠血管に特殊な保護液を投与することにより心筋のエネルギー状態をよりよい条件で維持する点において重要な意義を持つ。さらに長時間に及ぶ心停止後の蘇生をスムーズにすることで現在の開心術に不可欠な手段となっている。
各施設においてさまざまな心筋保護法が行われているが,その多くはchemical arrestを維持し,乳酸等の代謝産物を洗い流すために冠血管に冷却した心筋保護液を注入するcardioplegia (CP)と心筋を直接ice slushにより冷却するtopical cooling (TC)の2つに集約される。手術により心停止が長時間に及ぶとTCに使用した氷が融けて心肺回路に多量に吸引され血液の希釈,浸透圧の変化等,さまざまな合併症が起こる。また,TCを行う間は手術の手を休めなければならないこともあり術者にとってもわずらわしい。
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