Japanese
English
特集 睡眠呼吸障害
疾病概念の変遷と睡眠呼吸障害
Sleep disordered breathing:its definition and diagnostic criteria in special reference to hitorical changes in concepts
末次 勸
1
,
大道 博士
1
,
石塚 健二
1
,
佐藤 元彦
1
Susumu Suetsugu
1
,
Hiroshi Ohmichi
1
,
Kenji Ishizuka
1
,
Motohiko Satoh
1
1藤田学園保健衛生大学医学部呼吸器・アレルギー内科
1Department of Internal Medicine, Division of Pulmonology and Allergology, Fujita-Gakuen Health University School of Medicine
pp.3-6
発行日 1989年1月15日
Published Date 1989/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205391
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I.睡眠について
睡眠が脳波的にいくつかの段階からなることがわかったのはあまり古いことではなく,1935年にLoomisら1)が記載したのが最初である。それまで,睡眠は一晩を通して均一の生理的現象からなるものと考えられ,臨床的にもあまり重要視されていなかったようである。REM睡眠,rapid eye movement(REM) sleepが睡眠中に反復して生じることが明らかにされたのは,さらに下って1953年のAserinskyら2)の報告による。その後,いろいろな睡眠段階,特にREMとnon-REM睡眠との間にさまざまな生理現象の起き方に差があることが判明し,臨床的にも多くの注目を集めるに至っていることは周知のとおりである。
睡眠段階は,脳波,眼電図,筋電図の所見から,I・II期の浅睡眠,III・IV期の深睡眠,およびREM睡眠に分けられ,正常睡眠における各睡眠期の呼吸への影響は表1に示したとおりである。REM睡眠は約90分ごとに現れ,出現のたびに持続時間が長くなる。REM期の途中で覚醒するのが生理的であり,その際にしばしば夢を見るという特徴がある。検査法については,国際標準法が定められており3),世界的に使用されている。
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