巻頭言
手術術式の選択に想う
古川 欽一
1
1東京医科大学第2外科
pp.121
発行日 1987年2月15日
Published Date 1987/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204999
- 有料閲覧
- 文献概要
外科医は,手術という一つの障壁を乗り越えてから,第三者によって外科医の能力が評価されるという宿命を持っている。病態を基盤として患者の危険因子や社会的適応まで考慮して,根治手術か,姑息手術か,あるいは保存療法が好ましいかを決断しなげればならない。
深部静脈血栓症を一つの例にとってみても,手術は必要かということで常に論議されている。薬物療法の進歩で線溶により改善する症例もあるが,必ずしも効果的でない症例もあることから,外科的治療の可否が論じられるわけであろう。多数の症例の長期の追跡成績から妥当な結論を出すことが必要であろう。
Copyright © 1987, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.