Japanese
English
綜説
喫煙と肺の病態
Smoking and Lung Diseases
金子 保
1
,
大久保 隆男
1
Tamotsu Kaneko
1
,
Takao Okubo
1
1横浜市立大学医学部第一内科
1The First Department of Internal Medicine, Yokohama City University, School of Medicine
pp.1248-1258
発行日 1986年12月15日
Published Date 1986/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204968
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緒言
喫煙が人体に与える害についてはいろいろと論じられてきた。本邦における死因別死亡率をみると悪性新生物,心臓病,脳血管障害が主要な死因を占めているが,喫煙はこれらの諸疾患に明らかな影響を及ぼしており,喫煙の量が多いほどその危険度は大きくなる傾向にある。この影響はタバコ煙に直接さらされる呼吸器系の障害で更に大きく,肺癌や慢性閉塞性肺疾患との関連は古くから指摘されてきているところである。
一方,最近の医学の進歩は,従来発症機序のよくわからなかった肺疾患の病態解明のための種々のアプローチを提供してきた。喫煙の呼吸器に対する影響と障害についても,このような多方面からの理解によって解明されつつある。本稿においては,このような立場から喫煙による肺の病態を概観して見たい。
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