特集 群馬県の総合保健活動
沿革と概況
辻 達彦
1
1群馬大学医学部公衆衛生学
pp.76-80
発行日 1972年2月15日
Published Date 1972/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204418
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本県の保健衛生面で何が最も大切であるかを自問自答してみると,成人病ことに中枢神経系の血管損傷であることに異存がない.けれども県民の危機意識をかりたてるほどのたかまりが秋田県ではみられるようであるが,本県では明確にこれを指摘するひとはないようである.これは一面において仕合わせでもあり,とくに本県の特定疾病死亡率が全国の首位であるようなことがなく,つねに悪い方の上位であることにとどまっている点がやや積極性を欠いた理由であろう.
また一県の保健対策が当初から完全な地域診断の下に行なわれることはむしろまれで,また,行政における部課別の当面する問題が必ずしも相互の連絡なくとりあげられるのが通例である.
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