Japanese
English
Bedside Teaching
DeBakey I型解離性大動脈瘤に対する超急性期手術治療
Surgical treatment of DeRakey type I dissecting aneurysms in super-acute phase (within 48 hours)
鰐渕 康彦
1
,
井野 隆史
1
,
古田 昭一
1
,
原 和弘
2
,
桑子 賢司
2
,
山口 徹
2
Yasuhiko Wanibuchi
1
,
Takashi Ino
1
,
Shoichi Furuta
1
,
Kazuhiro Hara
2
,
Kenzi Kuwako
2
,
Tetsu Yamaguchi
2
1三井記念病院循環器センター外科
2三井記念病院循環器センター内科
1Department of Surgery, Cardiovascular Center, Mitsui Memorial Hospital
2Department of Medicine, Cardiovascular Center, Mitsui Memorial Hospital
pp.859-863
発行日 1986年8月15日
Published Date 1986/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204912
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従来,きわめて予後不良とされてきた急性解離性大動脈瘤も,Wheatら1)による降圧療法の導入以来,救命し得る症例が増加し,特にDeBakey III型における救命率の向上は著しいものがある。現在,急性期の解離性大動脈瘤の患者に対しては,まず降圧療法を行い,ある程度患者の状態が安定したところで種々の検査を施行し,III型ならばそのまま内科治療を続け,I型ならば待期的に手術を計画するというのが常識的な対応の仕方となっており,本誌でも山口ら2)の論文の中で詳細に述べられている。しかし,DeBakey I型症例のみに限ってみると,この方針でのぞんでも予後は必ずしも良好とは言えない。その一つの理由はAnagnostopoulosの集計3)からみてもわかるように,I型解離の場合,発症後48時間以内に死亡する症例がかなり多いためと思われる。そこで我々は,昭和59年始めより,急性のI型解離性大動脈瘤の患者が入院してきたら,原則として48時間以内に手術に着手することに治療方針を変更し,以後連続7例の経験を得て幾つかの知見が得られたので報告する。
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