Japanese
English
特集 カテコールアミン
高血圧性心肥大のβ交感神経刺激反応性に関する臨床的研究
Responses of hypertensive-hypertrophied ventricle to beta-adrenergic stimulation in man
杉下 靖郎
1
,
飯田 啓治
1
,
藤田 享宣
1
,
行定 公彦
1
,
鰺坂 隆一
1
,
伊藤 巌
1
Yasuro Sugishita
1
,
Keiji Iida
1
,
Takanori Fujita
1
,
Kimihiko Yukisada
1
,
Ryuichi Ajisaka
1
,
Iwao Ito
1
1筑波大学臨床医学系内科
1Department of Internal Medicine, Institute of Clincal Medicine, The University of Tsukuba
pp.1311-1316
発行日 1985年11月15日
Published Date 1985/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204767
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高血圧症における心肥大は,従来,機械的圧負荷に対する代償機能として説明されていた。それによれば,心肥大は,心臓の応力stressを一定に保つように発生する,と考えられている。しかし近年,そのような機械的因子以外に,カテコールアミンの関与も示唆されている。例えば,自然発症高血圧ラット(SHR)による実験によれば1,2),高血圧の発生以前に既に心肥大が発生し,そのことにカテコールアミンが関与するとされている。
一方,肥大型心筋症(HCM)は原因不明の心肥大とされ,その発生機序の1つに,カテコールアミンによるとの説がある3)。また,高血圧症にみられる心肥大の中には,不均等肥大や閉塞性所見など,HCMに近い病態を示すもの,あるいは,肥大の程度に比して高血圧の程変の軽いものなどあり,高血圧性心肥大とHCMの関係が問題になっているが,解決は得られていない。
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