Japanese
English
特集 呼吸をめぐる論争
Cough receptorとBronchoconstriction
Topics on cough receptor and bronchoconstriction
佐々木 憲二
1
Kenji Sasaki
1
1東邦大学医学部第四内科
1The 4th Dept. of Internal Medicine, School of Medidne, Toho University
pp.25-31
発行日 1985年1月15日
Published Date 1985/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204577
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咳嗽coughは,喀痰・呼吸困難と共に,呼吸器疾患の症状のうちで,最も普遍的な症状である。その異常は,肺の本質的な機能である,呼吸—ガス交換の場としての"肺胞"ではなく,"conducting airway"即ち気道系に知覚端末と効果器とを有する,一連の反射弓により発現される。
それは,異物の吸入による生理的な防禦反応である場合もあれば,conducting airway自体の,種々の病的なprocessの反映でもある。とりわけ,気管支喘息発作時の咳嗽の機序として,気道内泌の増加による他,allergenに伴うchemical mediator (あるいは気管支筋収縮)を介しての知覚端末刺激などの諸要因が考えられるうちで,どれが最も優位なのか,さらには,間質性肺炎—肺線維症,肺水腫,ガン性リンパ管症の時にみられる,抑えきれない咳嗽発作intractable coughはいかなる機序によるのかなどの問題点など,日常臨床上遭遇する点について,現在も全て明快に説明されているわけではない。
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