特集 呼吸をめぐる論争
序論
川上 義和
1
1北海道大学医学部第一内科
pp.3-4
発行日 1985年1月15日
Published Date 1985/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204574
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論争とは,言い争いの事である。しかし単なる言い争いではなくて,自分が正しいと信じる事を理性的に論理を尽して主張する事である。この論争のプロセスから,どの主張が正しいのか,あるいはどの主張も正しくなくてそれまで見い出されていなかった他の事実が正しいのかが明らかとなってくる。医学の歴史上,このような論争は数限りなくあったはずである。その多くは解決され,唯一正しい事実が定説となって現在に生きている。従って,論争は定説が生れるまでの「生みの苦しみ」でもある。
この特集でとりあげた論争は,呼吸器の領域に数多く存在する論争のなかでも,極く一部にすぎない。もちろん,決着がついていないトピックスばかりである。
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