Japanese
English
綜説
肥満細胞—その分化と機能
The mast cell:its development and function
無江 季次
1
Suetsugu Mue
1
1東北大学医学部第1内科
11st Dept. of Int. Med., Toboku Univ.
pp.106-117
発行日 1984年2月15日
Published Date 1984/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204381
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IgEの発見は即時型アレルギーの抗体の発見であったと同時に肥満細胞の機能を明らかにする端緒ともなった。IgEは肥満細胞の脱顆粒を開始させる刺激の1つにしかすぎないが,IgEに対するリセプターは肥満細胞と好塩基球にしか確認されていない。すなわちIgEのほとんどが肥満細胞膜のIgEのFcに対するリセプターに固着して存在しているので,肥満細胞は即時型アレルギーを発現させる細胞と理解されがちであるが,はたしてそうなのだろうか?
肥満細胞がヒスタミンを保有することはかなり以前より知られていて,そのために肥満細胞は炎症の際に主役をなす細胞とも考えられてきた。また肥満細胞がトルイジンブルーでメタクロマジーを呈するのはその保有しているヘパリンのためであり,体内のヘパリンのほとんどが肥満細胞内に存在していると考えられている。本文においては限られた紙面ではあるが.出来るだけ多くの観点より肥満細胞の綜説を試みる。
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