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特集 睡眠と呼吸
睡眠時無呼吸症候群のポリグラフィと臨床
Polysomnographic and Clinical Findings of Sleep Apnea Syndromes
岡田 保
1,2
Tamotsu Okada
1,2
1名古屋大学医学部精神神経科
2名古屋大学医療技術短期大学部
1Department of Neuropsychiatry, School of Medicine, Nagoya University
2Department of Medical Technology, Nagoya University College of Medical Technology
pp.233-242
発行日 1983年3月15日
Published Date 1983/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204186
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近年,精神神経科,神経内科,呼吸器科,循環器科,小児科領域において,睡眠中の呼吸障害に対する関心が次第にたかまっているように思われる。ここに述べるように,睡眠ポリグラフィ(Polysomnography)による精神生理学的な睡眠障害研究の発展の結果として睡眠時無呼吸症候群という新しい臨床的criteriaが提起されたり,北米の睡眠障害研究センター協会1)により新しい睡眠障害の分類案が提示されたりしたこともその一つの契機になっているようである。
睡眠時に周期性呼吸を呈し,昼間には傾眠症をきたす代表的な疾患は,Burwellら2)が1956年に記載したピックウィック症候群である。1965年以来,Gastautら3),JungとKuhlo4)の研究をはじめとして,本邦においても,高橋ら5),菱川ら6)により睡眠ポリグラフィによる病態生理の研究が行われてきた。その結果,ピックウィック症候群では,夜間睡眠時の周期性呼吸の際,無呼吸期に引き続く過呼吸期に脳波は覚醒反応を呈し,睡眠経過が著しく障害され,その代償として昼間の傾眠症が生ずると考えられるようになった。
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