印象記
Oscillation theory 20年の進展—Symposium‘modcling and control of breathing’の印象から
本田 良行
1
1千葉大学医学部生理学教室
pp.72
発行日 1983年1月15日
Published Date 1983/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204157
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William Yamamotoが運動時の呼吸亢進を説明する因子としてoscillation theoryを発表して約20年が経過した。4年前のOxfordにつづいて,昨年9月Los Angeles郊外のUCLAのLake Arrowhead Conference Centerにおいて,"Modeling and control of breathing"のシンポジウムが開催された。この両シンポジウムとも,話題の中心にoscillation theoryがとりあげられたので,これにつき回顧したい。
周知のように,呼吸によりガス交換されるO2とCO2は,逆に体内に存在する化学受容器を介して呼吸中枢を刺激し,呼吸の大きさを規制する作用がある。この働きによって,血液中のO2とCO2(血液ガス)はダイナミックな調節下にあり恒常性が保たれている。系統発生的な理由により,空気呼吸をしている人間ではCO2を介する呼吸調節作用がO2よりも大きなウェイトを占めていると理解されている。
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