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血液中のヘモグロビン(Hb)とO2およびCOとの平衡反応をDouglasならびにHaldaneら1)が最初に記載し,Adair2)はHbとO2間の平衡反応につき4段階平衡理論を提出した。Roughton3)および岡田ら4)はO2とCOがHbヘム蛋白分子の同一部位に競合的に結合するという前提でAdairの4段階平衡理論を"COが存在する場合のオキシ・ヘモグロビン(HbO2)の平衡"の場合に適用し,HbO2に対するCOの影響を検討した。一方カルボキシ・ヘモグロビン(HbCO)の解離に対するO2の影響に関しては,技術的制約のために共存するO2およびCOのガス分圧総和が十分に高く還元Hbが存在しない特殊な条件におけるものが報告されたに過ぎず1),還元Hbが存在する場合についてはいまだ十分な知見が得られるにいたっていない。
本研究で著者は生理学実験にしばしば用いられる犬の新鮮全血についてAdairの4段階平衡理論にもとづくHbとO2およびCOの平衡関係を実験的条件下で定量的に測定し,還元Hbの存在の有無にかかわらず適用できる"O2が存在する場合のHbCO解離曲線"を数値的に表示することを試みた。
To develop the mathematical representation forcarboxy-hemoglobin dissociation curves in the presence of O2, the in vitro equilibrium of hemo-globin with O2 and CO was studied on fresh whole blood of 52 mongrel dogs at constant temperature of 37℃, constant Pco2 of 40 torr and constant pH of 7.40.
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