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肺動静脈瘻(Pulmonary arteriovenous fistula以下PAVF)は1897年にChurton1)が初めて剖検例において報告し,1939年Smith2)らが上腕静脈よりの肺動脈造影で生前診断がなされた.1942年にはHepburn3)により手術成功例が報告され,その後は心血管造影の普及発展により,本邦においても100余例の報告4,5)がある。
PAVFの典型的な所見としては,チアノーゼ,バチ状指,多血症,肺野の血管性雑音がある。息切れ,呼吸困難が初発症状のことが多く6),ときに脳血管障害7,8),消化管出血9),脳膿瘍10),肝膿瘍11)の形で発症することもある。また半数において皮膚粘膜のtelangiectasisを認めとくに家族性のものはRendu-Oster-Weber病として知られている。PAVFの診断は上記の症状に加えて,胸部単純写真上の異常により,肺動脈造影で確診される事が多い。さらに近年では肺シンチグラフィー12),コントラスト心エコー法12,13)による診断も報告されている。これらに加えて,コンピューター断層撮影(以下CT)による診断がきわめて有効であったので報告する。
The first description of a pulmonary arterio-venous fistula was made by Churton in 1897. Smith et al reported the first antemorterm diagnosis in 1939. More than a hundred cases have been described particularly following the advent of successful surgical excision and the introduction of pulmonary angiography.
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