Japanese
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特集 運動負荷と心電図
運動負荷によるST偏位の成因と意義
Mechanisms and clinical significance of exercise-induced ST segment deviation
加藤 和三
1
Kazuzo Kato
1
1心臓血管研究所附属病院
1The Cardiovascular Institute
pp.1149-1159
発行日 1981年11月15日
Published Date 1981/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203872
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古くから虚血性心疾患では運動負荷により狭心症発作時に似たST,T変化を生ずることが知られており.それを利用した運動負荷試験が虚血性心疾患の診断ならび管理上広く用いられてきた。
運動負荷心電図では,一般に水平(図1),下り傾斜(図2,3)および陥凹型(図1) ST下降は虚血性の変化であるに対し,接合部型のST下降は正常とされているものの,その程度によっても左右されることは勿論である。基準を厳しくすれば特異性は増す一方感度は低下し,基準を緩めれば逆の結果となる1,2)。従って正常と異常とを絶対的に区別することは,おそらくどこまでいっても困難と考えられるが,近年における運動負荷法ならびに心電図記録法の発達,冠動脈造影法の普及に伴い,その診断精度は著しく高まったようにみえる。またST下降のみならず,ST上昇に関してもいくつかの新しい知見が得られている。
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