Japanese
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特集 運動負荷と心電図
運動負荷心電図試験R波高診断基準
R-wave voltage criteria in electrocardiographic exercise testing
外畑 巌
1
,
近藤 照夫
1
,
河合 直樹
1
,
都築 雅人
1
,
志貴 一仁
1
Iwao Sotobata
1
,
Teruo Kondo
1
,
Naoki Kawai
1
,
Masato Tsuzuki
1
,
Kazuhito Shiki
1
1名古屋大学医学部第1内科
11st Dept. of Int.Med., Nagoya Univ.
pp.1141-1148
発行日 1981年11月15日
Published Date 1981/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203871
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運動負荷心電図試験は冠動脈疾患の診断,重症度および予後の推定に有用な非観血的検査法である。運動誘発心筋虚血の心電図診断は従来,もっぱら"虚血性ST低下"によりなされてきた。しかしこのST低下基準は他の多くの病態,薬物投与下において偽陽性を呈し1,2),特に無症状の対象集団では50%以上の偽陽性率を示すと報告されており3),また1枝病変例では偽陰性率が高く4),3枝病変例でも20%もの偽陰性率が報告5)されるなど,診断精度上批判が多い。従って,運動負荷心電図試験の診断精度向上のための試みとして,ST部の詳細なcomputer分析,ST傾斜などの検討に加え,ST上昇,U波陰転,R波増高などの基準が種々検討されている。
1978年Bonorisら6)が"RCM5不変または増大"診断基準はST低下基準に比し感度(sensitivity)および特異度(specificity)ともに有意に高値であると報告して以来,R波高診断基準の是非について数多く研究が発表されたが7,10,12〜17,19,20),まだ意見の一致をみていない。
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